2021年の月(佐藤)
八王子、高尾と乗り継いで、高尾から普通列車大月行きに乗り継ぎ大月駅に向かいました。さらに、そこから富士急行に乗り換えて、目的地の河口湖駅をめざしました。初めて富士急行です、恥ずかしい話、わたしは少し興奮するのをおさえきれませんでした。
三両編成の小振な車両、車両のうち外に描かれたリサとガスパールの絵群がありました。車内は一切余計な広告はありません、あるのはリサとガスパールの絵本絵画ダイジェスト画面、開閉ドアが開く度、閉じる度にその素朴な開閉音に聴覚も刺激されるのが分かりました。わたしは小さなこどもになりました。
わたしがいるのは二両目真ん中です。月江寺(ゲッコウジ)駅の次は
富士山(フジサン/Mt.FUji)という駅でした。到着する前です、車窓いっぱいに突然現れた富士の形容に、身を乗り出して中腰前屈みになりました。近くの老婦人には無視されましたが・・・。
河口湖に着いてから目的地のギャラリー&カフェに向かいました。
案内所ではタクシーを勧められて動きました。富士山にまっすぐに向かって行く感じでした。
絵を観ることが出来ました。伊藤仁(じん)さんは額装も絵に合わせて手作りしてしまう絵描きさんです。こんなにお話するのははじめてなので困りました。好きな音楽のことも聞きました。色々なお話をうかがっても、彼の何処か飄々とした物言いがそうさせるのでしょうか、話があきることがありませんでした。それでも二人の会話、最後は絵の話になりました。つぶやくように噛み締めるように「(絵は)人それだから・・・」と話してくれました。
「お願いがあります、伊藤仁さんSNSに載せた月の写真でが・・・ぼくも使っていいですか!」唐突なお願いにも伊藤仁さんは快く許可してくれます。そして、画像送信もしてくれたのでした。有り難い事でした。(続く)
伊藤仁撮影/2021-09-21