キタコラサー ドッコイショ(佐藤)
10月23日 月曜日。
町田市立国際版画美術館、開催最終日になってしまいましたが、西洋の木版画 500年の物語を観ることができました。
観覧する人もほとんどなく、遠くで子供の大きな声がします。その子を叱る親の声もします。
会場の初期の作品群に魅せられしまいました。中世の不思議な森に入っていくような感じもありました。
時間をわすれしばらく見ていられるのは贅沢なものです。知っている作品もあるので開放感も手伝ってか、自分の過去を照らして見ている感じがありました。
これを見るためにわたしはここに居るのだ・・・とても自由な気分を貰いました。
初期の貴重な木版画の中に、[聖ヒエロニムスとライオン]がありました。ライオンの脚に刺さったトゲを取ってあげる画面です。無駄のない素朴な画面ですが強く魅せられてしまいました。
以前に国立西洋美術館で見たレオナルド・ダ・ヴィンチの未完成のあの右手に石つぶてを持つ「聖ヒエロニムス]は圧倒的な迫力で迫ったことを思い出して、思いがめぐります・・・。
目の前のこの小さな小さな木版画も絵の力をまざまざと見せてくれて不思議です。感動しました。
図録出版もありません。わたしはメモも取るわけではありません。
展示会場を青いクラゲのように動いた次第です。
ヨーロッパで木版画が作られるようになったのは西暦1400年頃のこと。やがてグーテンベルクが活版印刷を発明すると、木版画は本の挿絵に用いられ発展してきました。
15世紀末にはデューラーが現れ、版画制作の中心が銅版画にうつり、木版画は日常的な印刷物に細々と残るばかりになりました。
18世紀に発明されたのが、ごく細かな線まで表現できる小口木版の技法です。19世紀には多色刷りの技術も開発され、カラフルで安価な絵本が人気を集めました。
近代以降は日本の浮世絵をはじめとする異文化の影響を受けて、木版画は芸術表現の一つとして見直されるようになりました。
キタコラサー
ドッコイショ
11月2日月曜日。
横浜市青葉区寺家へ向かいました。[寺家スタジオ]というギャラリーで竹下洋子さんの展示です。描くこと 編むこと 。いつもそうです。糸を編む作品を見る度にわたしに[色]のことを考えさせてくれます。どういうわけでしょう。今回もそうでした。
現在、彼女は一年前から島根県隠岐島の海土町に住んでいます。彼女は[色]は海土の精のつぶやき舞うのを愛おしくつかまえて現れることに、始まるように思えてなりません。自分をジプシーと言います。彼女の行くところ生活日常が織り重なり、彼女の[色]を創り出しているのです。彼女の生き方、考えていることが色に現れます。わたしは遠くから見るばかりです。
下の画像は寺家スタジオの庭に咲いていたケイトウの花。季節が過ぎても堂々とすっくと立っていました。
キタコラサー(お前は来たかー)
ドッコイショ(これからどうして どこえ行く)
2020年12月暮れ
キタコラサー
ドッコイショ