あなたなしじゃ私たちは生きていけない(佐藤)
去年の今頃です、2020年3月25日は東京オリンピック・パラリンピックの開催延期を決めた日でした。
中国武漢市の眼科医・李文亮がチャットで原因不明の肺炎が蔓延していることを伝えたのは一昨年2019年の12月30日の年の暮れでした。
それから新型コロナウイルスはバンデミックという名をもらい、あっという間に世界中に広がりました。
そして、今年2021年2月には新型コロナウイルスには3種類の変異ウイルスが拡大しているとWHO(世界保健機構)の報告がありました。
この3月22日に緊急事態宣言の解除がありましたが、感染収まらずです。
そんな中、私は花見なのです。行く場所は本当に人の少ないところなのが。私の目の前の桜は上野の山の桜よりも枝っぷりが良く一回りふた回り大きく見えます。自然な枝先は人の腕をも想わせます。目で追うことの出来る枝さきは沁みるように柔らかく感じます。見飽きません。
柵もあります。手前の桜は歩道にかかるためかキッパリと切られてもいます。この5年程前からです!規制制限がかかる場所が増えました。何かあったのでしょう?残念でもあります。
この場所は風の一陣とこの身に桜の花びらが霧のように降りかかるという経験もしたところですから。ここに来るとどうしても堪らなくなる感じることが多いです。事実、ここでは風の道もあるのです。
まだ椿も木蓮の花も見事です。五日市の武蔵増戸まで行かなくても、ここの菜の花は行進隊列をこれでもかと見せて来れます。
一昨年のことです。
植樹された枝垂れザクラ1本が3年目にし初めて花をつけました。そして今年です。もう葉桜ではありませんよ、他の枝垂れ7本も花をやっとつけてくれました。樹の間隔も十分とってあるので、当たり前にこのまま成長して行くことでしょう。10年後の枝垂れ桜はどれだけものかと思います。私は今からワクワクしているのです。
しばらく目をつぶりました。ユックリ目を開けてました。新しい風景と出会えている気分になりました。
モンシロチョウ二匹花びらのように飛んでいました。蝶の向こうには畑づくりのひとり初老男性が手を休めないで動く形がありました。
後ろから歩いて来るひとりのご婦人、清楚な佇まいです。無言で私の横を通り過ぎて行きました。
昔、校舎があった場所ではこどもたちが遊んでいます。その側の松の並木の場所はお墓だった場所です。みんなかたちびとに見えて来ました。
十字路の松の姿見は立派な造形と気づきました、私を迎え、そして見送って来ているようにも見えました。
昨年どの国よりもはやく芸術家やフリーランスに公的支援をしてくれたのはドイツでした。その時のメルケル首相の言葉が胸に刺さってきます。「あなたなしじゃ私たちは生きていけない」
私は情けなくなりました。情けないです。私は何びとなのでしょうか。真っ直ぐ歩いて行きたいのです。
2021年この場所の白いマリアさまの庭にスイレンが3本咲いていました。
2本の方を撮りました。
佐藤